コラム “コラム”

　以前、賃貸物件を仲介させていただいたお客様が、結婚を機にマンションを購入したいとのことで物件の案内をしました。最初は、横浜市内の物件を紹介していたのですが、検討していくなかで東京の方が夫婦共に便利ということになり、荒川区周辺まで案内させていただきました。
　当社は賃貸不動産の管理を主な業務としています。私が以前売買仲介会社に勤めていたので、売買の仲介もできます。
　何日かに分けて１０軒程度案内し、ご成約いただきました。今回のお客様はITエンジニアで私も新卒から6年程度プログラマーをしていたので親近感を持っていただいたのかもしれません。
　売買物件の仲介は数年に一件程度ですが、案内をすると売買仲介会社にいた頃を思い出します。入社した頃、上司から「知識も経験もないんだから、お客様と一緒に家探しをしている感覚で気に入った物件を探して来い！」と言われて、案内をしていました。10年以上経った今でも、「お客様と一緒に」というスタイルは変わっていないかもしれません。
　そのためか、もしお客様が物件を見た後に不安をお持ちなら判断材料を提供したり、見ただけでは分からない部分を指摘できるようになりました。賃貸管理の経験が生きているからだと思います。
　賃貸管理の業務はトラブルやクレームの対応もしなければならず、苦労もあります。トラブル、クレーム対応をしているとプログラマーの時の「バグ対応」を思い出すことがあります。客先へソフトを納品後、プログラムを追いながらバグ修正に苦労する作業と、入居後にトラブル、クレームがあった場合に対応方法を考え問題解決に導く作業が、なんとなく似ていると感じます。
　解決した後のスッキリ感は、全く同じです。私が当社に入社した時はトラブル、クレーム対応は「ただ辛い」と思うことが多かったのですが、最近はそんな苦痛もなくなりました。プログラマーを辞め、売買仲介の仕事をするまでの間、1年間だけ飲食店で働いたこともあります。飲食業界には、店舗の管理という大事な仕事もありますから「仕事に無駄なことは何もない」と思っています。