コラム “コラム”

　最近、退去予定の入居者お２人と連絡がつかなくなりました。1件目は、約束した退去立会日に入居者が来なかった、というものです。携帯電話は解約されているようでした。会社から入居者にメールを送りましたが、返信がありません。数日後に再び送っても、返信はなし。アパートの近隣の方から「ゴミ捨て場に冷蔵庫が置かれている」という連絡があり、嫌な予感がしました。
　外国人の入居者だったので故国へ帰ってしまったのかもしれません。入居者本人と連絡が付かないとはいえ、このまま放置もできないので、数日後、部屋に入りました。すると、荷物は何もなく、きれいな状態でした。
　もう1件はオーナーから、入居者を退去させたいとの申し出があったケースです。入居者には、引っ越し代を出して、退去してもらいました。退去後、入居者から「次の物件が決まった」と連絡があり、オーナーから引越し代を振り込んでもらいました。引っ越しはしばらく先とのことで後日携帯電話に連絡しようとしたところ「携帯番号は使われていません」とのアナウンスが流れてきました。
　オーナーの管理状況が悪かったようで、家族など入居者本人以外の連絡先や、勤務先が不明で連絡の取りようがありません。ですが、当社は解約届をもらっていなかったので、何とかしなければなりません。私とスタッフで現地に行き、何か手掛かりがないか、部屋に戻っていないか何度も訪問して調べたのですが、入居者の連絡先に結びつく手がかりはありませんでした。
　ところが、念のためと思い、集合ポストを調べ直したときのことです。なんと、ポストの裏側にカギが全て張り付けてあったのです。室内もきれいに片付けられていました。入居者は「カギを返却したので、これで終了」という意図だったのでしょうか。
　これには、後日談があります。入居者と親しい方から連絡がありました。「本人と連絡が取れない」「本人は携帯電話を持っていないかもしれない」とのことで、いたくお困りの様子でした。その方も入居者と連絡の付かない理由は不明だったそうですが、「スマホアプリのログイン履歴は確認できているから、生存は確認できている」ということなので、私もひと安心。それでも、なぜ連絡が付かなくなったのか、いまでも気になっています。